知っている単語なのに聞こえないときは、同じ一文を繰り返す前に「文字なら意味が分かるか」を確かめます。そこから、意味を調べる、音の境目を聴く、前の発言へ戻る、のどれを試すか決められます。全部を「リスニングが苦手」で片づけず、今日確かめる場所を一つ選ぶための整理です。

原稿でも意味が取れないとき

説明用の自作例として、She turned down the offer. という文を考えます。単語を一つずつ知っていても、turn down を「断る」の意味で知らなければ、文全体を取り違えるかもしれません。この場合は、音を聴き直すだけでなく、その組み合わせの意味を調べる段階です。

原稿を読んだら、誰が何をしたかを日本語で一言にします。「彼女が申し出を断った」と説明できなければ、表現の用法や文の構造を確認します。辞書に載っている意味をすべて覚えようとせず、この文に合う用法と前後の話を照合してください。

「見たことがある」と「この文の意味を説明できる」は分けておくと、何を調べるか決めやすくなります。

意味は分かるのに語の位置をつかめないとき

別の自作例、We can meet at eight. を読めば分かるのに、音声では can や at の位置がつかめないとします。英語の発話では、各語が辞書の見出し語のように独立して聞こえるとは限りません。連続した発話や弱形は、British Councilの解説で扱われています。

まず「meet は拾えた/その前が不明」のように、聞こえた部分と曖昧な部分をメモします。原稿と照らしたら、曖昧な語だけを切り出さず、前後を含む短いまとまりで聴き直してください。can の位置が分からないなら、We can meet までを残す選び方です。

録音を確かめる前に「can が消えた」とは決めません。文字を見た後に聞こえるように感じても、別の文で認識できるかは、別に試す課題として残します。

文は分かるのに会話が分からないとき

自作の返答 That sounds better. は「そのほうがよさそう」と訳せても、何と何を比べたのかが抜けると、会話の内容は定まりません。ここでは、その一文を細かく刻むより、直前の提案へ戻ります。

たとえば、先の案と新しい案の両方を一行ずつ書き、「そのほう」がどちらを指すのか確認します。指している内容が分かってから、返答をもう一度聴きます。

British Councilの聴解解説は、音から語を認識する処理と、背景や前後関係を使う処理の両方を説明しています。ここでの三分類は、その説明を参考にした編集部の独習案です。能力を判定するテストではなく、一つのつまずきに複数の理由があっても使えます。

次にすることを一行にする

今日聞こえなかった一文を選び、次のどれかをメモの先頭に置きます。

  • 意味:原稿でも不明。表現の用法を調べる。
  • 音:意味は説明できる。曖昧な語の前後を聴く。
  • 文脈:文は分かる。指示語が指す発言へ戻る。

記入例は「音:meet の前。We can meet を聴き直す」。確かめてから「意味も曖昧だった」と分かれば書き換えます。今日は一文について、次に調べることか再生する範囲が決まったところで終えます。

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